【レポート】凸と凹「マンスリーサポートプログラム」登録先向け集合研修vol.25を開催しました

●日時:2024年9月30日(月) 10:00~12:00

●場所:オンライン

●講師:室生厚さん(南医療生活協同組合 代表理事)、杉浦直美さん(南医療生活協同組合 常務理事)

●テーマ:南医療生協の協同の力で事業づくり、まちづくり


凸と凹「マンスリーサポートプログラム」登録先向けの「集合研修」25回目をオンラインで開催しました。

北海道、新潟、群馬、愛知、岐阜、石川、京都、大阪、福岡、熊本をつなぎ、17名の方にご参加いただきました。


今回、講師をお願いした室生さん、杉浦さんが所属する南医療生活協同組合(以下、南医療生協)は、「みんなちがってみんないい ひとりひとりのいのち輝くまちづくり」を基本理念として掲げ、「医療」「介護・福祉」「生活支援」「くらしの充実」の4つの柱で地域まるごとの健康なまちづくりをめざして活動されています。


現在、南医療生協には97,000人以上の組合員が所属しています。

組合員自らが協同組合を通し、市民の協同でまちづくりをすすめる103の自治された支部があり、それをさらに細分化した「班」が1,375あるそうです。

「もっと健康になりたいな」「もっと住みやすい街になったらいいな」「もっとみんなで楽しいことをしたいな」などの要求を持ちより、仲間が3人以上集まれば「班」ができるようになっています。

条件は年2回以上班会をすること、というシンプルな仕組みが特徴です。


他にも、組合員自らが主体的に活動していることがよくわかるのが、毎月発行している機関紙の配布方法です。

3,492名もの世話人が50,000人以上の組合員に、毎月手配りで1軒1軒を回って配布されているそうです。


事業所づくりも工夫されており、組合員自らが「(1) 土地・建物探し、(2) 出資金集め、(3) 組合員増やし、(4) 職員確保」を行う仕組みになっています。

南医療生協が組合員の当事者意識を育めていることは、2001年から毎年のように新たなプロジェクトが生まれて、次々と新しい事業所がつくられていることに表れています。

そして、とにかく「対話」を大切にしてこられたことが、お二人のお話からひしひしと伝わってきました。


講演後、質問や感想を参加者のみなさんから集めると、「南医療生協さんのすごさに圧倒されました」という声が多く寄せられました。

研修終了後に参加者のみなさんから回答いただいた「気づきや学び、感じたこと、印象に残ったこと」の一部をご紹介します。


「まちづくりって、本当に実践がすべてだなと。1回声をかけて断られてもあきらめずにしつこく話しかけてかかわりをつくり、おせっかいなぐらいに声をかけて声を集める。そのパワーがとにかくすごいと感じました!」

「福祉は医療と融合していかなければならない時代だと感じていて、実際に横の繋がりで実践している、こんな地域に自分も住みたいと思いました。ないので創りたいと思います。また、勉強させてください。」

「地域医療を支える病院を生協という形で運営されていること、またそれを中心に地域社会でものすごい支え合いの仕組みやネットワークをつくり上げておられることに本当に驚きました。『おせっかい=節度ある介入』『会議は要望を出す場ではなく、どうすれば自分たちで実現できるかを考える場』といったフレーズがとても印象的で心に残りました。」


次回の集合研修は「仮想理事会」の回を、認定NPO法人コクレオの森をホスト役に10月に開催予定です。

「お金の地産地消」をデザインする:合同会社めぐる

参考:「名古屋市市民活動促進基本方針」(2011年12月)/ 図 資金が地域で回る仕組みのイメージ