【レポート】凸と凹「マンスリーサポートプログラム」登録先向け集合研修vol.23を開催しました

●日時:2024年6月7日(金) 10:00~12:00

●場所:オンライン

●講師:番野智行さん(認定NPO法人ETIC. ソーシャルイノベーション事業部 事業統括・全社組織変革担当)

●テーマ:ETIC.の事例紹介~組織の成長にどう向き合い、適応してきたか~


凸と凹「マンスリーサポートプログラム」登録先向けの「集合研修」23回目を、オンラインで開催しました。

北海道、栃木、群馬、東京、愛知、岐阜、大阪、福岡、熊本をつなぎ、18名の方にご参加いただきました。


今回はETIC.の番野智行さんに「組織変革」をテーマにお話いただきました。

ETIC.は社員約50名、業務委託や外部パートナー200名程度を抱えた団体です。

1993年に設立され、昨年30周年を迎えています。

創業期から2015年頃までは、経産省や内閣府、中小企業庁の事業等で右肩上がりの予算規模でイケイケ状態。

しかし、社員が50名を超えると「成長痛」を感じるようになったそうです。


組織内で対立が頻発し、次世代を担う中堅メンバーの離職が相次ぐ中、2016年頃から組織変革の取り組みがスタートしていきます。

社内アンケートを取ったところ、経営層・管理職とスタッフの間で意識の乖離があることが明らかになりました。

対話と参画を重視し、社員からの不安な声に配慮する形で「少しずつやってみよう。ダメなら戻ればいい」という合意を得ました。


人事制度の見直しや意識決定プロセスの変革、報酬制度の見直し等の取り組みを通して、各事業部や現場単位でのマネジメントが確立。

各メンバーの財務リテラシー・意識が向上し、いよいよヒエラルキー型の組織構造の廃止へと続いていきます。

予算規模は横ばいだけれども、個人の活性度やエコシステムの豊かさがアップしていきました。


講演後、番野さんへの質問を参加者のみなさんから集めると、とても関心の高いテーマだったのか、たくさんの質問が寄せられました。

自団体で現在抱えている悩みを具体的に相談する方もいらっしゃり、切実さが伝わってきました。


研修終了後に参加者のみなさんから回答いただいた「気づきや学び、感じたこと、印象に残ったこと」の一部をご紹介します。

「50人を超えると組織運営は難しくなるという言葉とその理由、一人ひとりの意向を聞くボトムアップ体制が印象に残りました。不満や消極的な意見が大多数になってくると、組織としてのまとまりが薄れてくる実感があります。」

「人がどう満足して、安心・安全の中で働けるのかということが大切なのだと、改めて思いました。自分の思考がそこを受け止めきれないんだな~と思いました。番野さんが『人が足らなくて回らないのであれば、それがその組織の実力』みたいなことをおっしゃっていたことが印象に残りました。」

「『成果を上げるのは当然だが、それだけでよいのか? 何を蓄積するかが大事なのでは?』という言葉が自分に残った。確かに仕事をする中で、組織の中に、自分の中に、蓄積されていくものがあり、それを意識することはとても大切だなと感じた。」


次回の集合研修は「仮想理事会」の回で、認定NPO法人葵風をホストに7月に開催する予定です。

「お金の地産地消」をデザインする:合同会社めぐる

参考:「名古屋市市民活動促進基本方針」(2011年12月)/ 図 資金が地域で回る仕組みのイメージ