【レポート】凸と凹「マンスリーサポートプログラム」登録先向け集合研修vol.39を開催しました

●日時:2026年6月24日(水) 10:00~12:00

●場所:オンライン開催

●講師:岩元暁子さん(認定NPO法人日本ファンドレイジング協会 チーフ・ディレクター)

●テーマ:発信力を高める「共感メッセージ」を極めよう!

※参加者数17名、平均満足度9.9点(10点満点)


凸と凹「マンスリーサポートプログラム」登録先向けの「集合研修」39回目を、オンラインで開催しました。

今回は、日本ファンドレイジング協会でチーフ・ディレクターを務める岩元暁子さんを講師にお招きし、「共感メッセージ」をテーマに、NPOのコミュニケーション戦略について実践的な知見を共有いただきました。


■「共感」とは何か


冒頭、視覚障がいのある男性が街頭で掲げていた「目が見えません。助けてください」という貼り紙を、ある女性が「今日は素晴らしい日ですね。だけど私はそれを見ることができません」と書き換えたところ、道行く人の反応が大きく変わったという動画が紹介されました。

同じ事実でも、相手との間に共通のフィールドを生み出せるかどうかで心の動き方が変わる、これが「共感」の本質だという説明です。

NPOでは、お金を出す「支援者」とサービスを受け取る「受益者」が別々であるため、一般のビジネス以上に共感を生み出す力が欠かせません。

共感は「応援したい」という気持ちを生み、寄付・ボランティア・入会・口コミといった行動につながるだけでなく、組織内の一体感やスタッフの意欲向上、協働パートナーの広がりにもつながります。

共感メッセージを生み出す出発点は、まず自団体と支援者の共通点を見つけ、相手の立場を想像すること。

資金調達だけでなく、活動紹介や広報など、あらゆる発信の土台になるという整理も示されました。


■「ACTIONフレームワーク」6つの要素


共感メッセージを組み立てるツールとして「ACTIONフレームワーク」が紹介されました。

- Attention(注目):目を引く写真やキャッチコピー、設立のきっかけ、社会課題を示す数字

- Change(変化):団体が起こしたい変化や実現したい未来、実績

- Trust(信頼性):協働先や理事の顔ぶれ、資金使途の透明性、統計データ

- Imagination(想像力):受益者や代表のストーリーを物語として伝えること

- Only One(唯一性):他団体にはない自団体ならではの強み

- Network(つながり):地域や他団体との連携、支援者の広がり


「ジャパンハート」の医療支援活動や、人身売買問題に取り組む「かものはしプロジェクト」を例に、写真・キャッチコピー・具体的なエピソード・数字を組み合わせて共感を生むプロセスが示されました。

活動内容だけでなく、その先にどんな社会の変化を目指しているのかを伝えることの大切さを教えていただきました。


■信頼を獲得するための要素


Trust(信頼性)を高める要素として、協働している企業・行政機関名、社会的信用のある理事の存在、資金使途を徹底的に開示する姿勢、過去の実績や統計データ、専門家からの推薦コメントなどが挙げられました。

任意団体の場合は、代表の経歴や情熱・覚悟も信頼につながる要素として紹介されました。


■文章作法「カンカラコモデケア」


Imagination(想像力)を高める文章の型として、毎日新聞の記者・故山崎宗次氏が提唱した「カンカラコモデケア」(感動・カラフル・今日性・物語性・データ・決意・明るさ)が紹介されました。

不登校だった少年C君が団体に通ううちに元気を取り戻したエピソードを題材に、淡々とした報告文を、母親の不安や涙の報告まで含めた物語として描き直し、色彩豊かな文章にすることで読み手の心に残ることが示されました。


■ACTIONフレームワーク作成と質疑応答


参加者は自団体のACTIONフレームワークをワークシートに記入(全部埋めなくてもOK、まずは3つが目標)し、小グループに分かれて発表・フィードバックを行いました。

全体で集まった後には、参加者を代表してNPO法人ソルウェイズの髙木さんに作成したワークシートを発表いただき、岩元さんから直接フィードバックをいただく時間もありました。

質疑応答では要素の優先順位について質問が挙がり、信頼性・行政との連携・ネットワーク構築が重要な観点として挙げられました。

またChatGPTやClaudeなど生成AIの活用についても意見交換があり、ターゲット層に応じてメッセージを調整する重要性が確認されました。


■今後の活用に向けて


活用法として、(1) 組織内でワークショップ形式に取り入れチームビルディングや「スタッフ全員ファンドレイザー化」につなげる方法、(2) 他団体のACTIONフレームワークを作り自団体の「Only One」を見つける方法の2つが紹介されました。

今回は時間の制約から、ワークシート作成の時間を十分に取ることができず、全参加者へのフィードバックも叶いませんでした。

そこで岩元さんのご厚意により、後日ワークシートを提出した全参加者に、改めてフィードバックのコメントをいただけることになりました。

岩元さん、ご丁寧なご対応、本当にありがとうございます。


■参加者の声


●「カンカラコモデケア」のエピソードは、Afterを読むと実際に情景がイメージでき、自分と紐づく感覚を得ることができました。実際に手を動かして考えたことで、客観的なデータを調べてみる機会にもなりました。

●団体としての「共感メッセージ」をネタ帳として持っておくと、これから大いに活用できる武器になると思いました。代表や限られた人だけでなく、スタッフみんなでつくってみんなの武器にし、「スタッフ全員ファンドレイザー化」していきたいです。

●ACTIONフレームワークの6つの事柄のうち、1つだけを切り取って仲間内で話し合うのもおもしろいなと思いました。チームビルディングにとても活用できそうです。


次回の集合研修は9月12日(土) 、初のリアル開催として岐阜に集まります!