【レポート】凸と凹「マンスリーサポートプログラム」登録先向け集合研修vol.33を開催しました

●日時:2025年9月17日(木) 10:00~12:00

●場所:オンライン開催

●講師:藤田琴子さん(一般社団法人青草の原 代表理事)

●テーマ:できないからこそできたこと〜拠点運営には「たすけて」がいっぱい〜

※参加者数14名、平均満足度10点(10点満点)


凸と凹「マンスリーサポートプログラム」登録先向けの「集合研修」33回目を、オンラインで開催しました。

北海道、群馬、東京、愛知、岐阜、滋賀、大阪、福岡をつなぎ、14名の方にご参加いただきました。


今回の集合研修は、一般社団法人青草の原の藤田琴子さんをお招きして開催しました。青草の原さんが運営する拠点「れもんハウス」の事例から、日々の運営の工夫やファンドレイジングの実践について学びを深めました。


■れもんハウスの設立と活動内容


琴子さんは、福祉関係の専門学校で母子生活支援施設での実習を経て、家庭内の暴力や養育困難な状況にある親子の支援の必要性を感じ、2021年11月に「れもんハウス」を立ち上げました。

れもんハウスは新宿区内の物件を拠点とし、『あなたでアルこと ともにイルこと』をコンセプトに、どなた人でも来られる居場所をつくっています。

ごはんを食べたり、対話の会をしたり、それぞれ好きなことをしていたり。

「れもん留学」として、子どものショートステイの受け皿としても機能しています。

「いい感じ」のコミュニティづくりや「安心」な場づくりを意識しながら、ボランティアとともに温かな場をつくっています。


■「31匹のひつじプロジェクト」を中心とした資金調達の仕組み


れもんハウスを支えるひとつの柱が「31匹のひつじプロジェクト」です。

毎月1日から31日の「いちにち」を1匹のひつじメンバーとなった方が月額1万円~で、拠点の維持や子ども支援に必要な費用を支え合う仕組みになっています。

また、月1回開催する「れもんバー」では月替わりの店長がいて、参加費3,000円の一部が寄付金として活用され気軽に楽しく参加できる寄付文化が育まれています。

助成金の獲得については慎重な姿勢を持ち、マンスリーサポーター等の寄付を収入の柱にして継続した運営を続けています。


■Q&A


Q:「31匹のひつじプロジェクト」は31人の枠からは増えない?

A:最近、ついに32人目の待ちの方が出たのですが、「31匹のひつじメンバー」になっている知り合いの方から引き継ぐ形になりました。今後、新しい拠点設立や大きいプロジェクトが始まる時には、それに合わせて別の31匹のひつじプロジェクトをつくる、365日にするといったことも考えています。

Q:れもんハウスに来る人たちは、どのようなルートで来ている?

A:れもんハウスは人づてで知って来る人がほとんどです。ショートステイのれもん留学も人づてが多く、他には関係機関からの紹介で来ています。

Q:スタッフやボランティアの心理的負担に対して、どのようなサポートをしている?

A:スタッフやボランティアが安心して活動できるよう、定期的なミーティングで気持ちを共有し合う仕組みをつくること、そして「一人で抱え込まないこと」を大切しています。


最後に、アンケートで回答いただいた参加者の声から、印象的だったものをご紹介します。


■参加者の声 〜研修を通じて得た学びと気づき〜


●琴子さん、運営側のみなさん、誰もが心地よい場所だから若者や居場所を求めている人も心地よくなるのでは。その「心地よさ」を生み出すためのコーディネート、アイディア、仕組みづくりがすごい! と思いました。寄付額にも驚愕でしたが、「この場所が続くために寄付しよう」と思える場所なのだなぁと。行ってみたいです。

●「誰のため」「何のため」の軸が常にブレずにあるから、柔軟即応なソーシャルワークができているのだなぁ、と思いました。目の前の人から逃げずに対話をする、仲間とも対話をする、そのスタンスが本当にすてきです。

●31人のマンスリー寄付の話が印象に残っています。寄付した方の顔写真、名前が入ったカレンダーがれもんハウス内に飾られるなど、寄付しがいのある取り組みだと思いました。


次回の集合研修は「仮想理事会」の回を、NPO法人支援センターあんしんをホスト役に10月に開催予定です。

「お金の地産地消」をデザインする:合同会社めぐる

参考:「名古屋市市民活動促進基本方針」(2011年12月)/ 図 資金が地域で回る仕組みのイメージ